1.天職創り

[書評]自分の仕事を考える3日間~天職創りの大きなヒントがここに!~

いつもは本屋に立ち寄ったときに自己啓発書のコーナーで仕事術とかコミュニケーション力みたいなビジネス本を物色しているのですが、この本を買った当時、私は会社勤めについて疑問を持ち始めていました。「会社に勤めるってどういうことだろう?」と。会社が存在しているということは、既にその仕事が社会的に認められてきていて業界が成熟してきている可能性が高いわけです。そうなってくると、大体やることは決まっているし、その業界のやり方というのを徹底的に頭に叩き込んだ人が活躍するのです。私の性格上、興味のあること以外は全く頭に入らない性分なもので、周りの人に置いてけぼりになってしまうのではいか?と思い始めていました。だったら、今ある職業から選ぶのではなくて、自分で興味のあることを探して職業にできないものかと思っていて、そのヒントになるような本がないかなぁと思っていたら、この本が目に入りました。

自分で価値を見出して、仕事に変えた人たちの生き様がここに!

この本では著者が8人の方に対して仕事に関することについてインタビューし、それをまとめた本です。ここで紹介される8人の方はもちろん単なるビジネスマン、サラリーマンではなく、ちょっと変わった働き方をしている人たちです。例えば、時間の半分をは農業を行い、もう半分は自分が本当にやりたいことをして社会に関わる仕事をするという人や、仕事の合間に映画を撮って受賞しちゃった人など様々な人が紹介されています。
多種多様な事例ですが、8人の方に共通するのは「自分で新しいジャンルの仕事を作っている」ことだと思いました。儲かるからやっているわけではなく、人から言われたわけでもない。自分から「この仕事は価値がある!ワクワクする!」ということを見出してそれを仕事という形に変換している方々だと思いました。当著には「なぜこういう仕事をはじめたのか?」「儲からないのになぜ続けるか?」という根本的な話が多く、深く考えさせられました。

会社勤めに一石を投じる一言~優れた奴隷になるための方法をポジティブな文体で説くような自己啓発書に虚脱感を覚える~

この本のある2つの文章が私が仕事勤めで常々感じていたことをズバッっと言っていました。以下、引用します。

「頑張って奴隷頭になっととして、でもそれって奴隷のままですよね?」
「優れた奴隷になるための方法をポジティブな文体で説くような自己啓発書に虚脱感を覚える」

「会社員」=「奴隷」、「会社で出世する」=「奴隷頭」というわけです。奴隷のときは当然楽しくないし、奴隷頭になっても楽しくない。なんか一生懸命働いてるんだけど、あまり幸せそうではない。本当にそれでいいのか?例えばもし余命3カ月だと言われてもその仕事する?と問いかけたくなるような人たちが私の会社にはたくさんいます。この1節を読んで、自己啓発本に対しても見る目が変わりました。「これは奴隷になるための本だな」「これは仕事を創る本だな」という目線で見ることができるようになりました。

感想~これから仕事は自分で創るものだ!~

やはり仕事は自分で創るものだと再認識しました。読んでいて、紹介されている8人の方の幸福感が伝わってきました。ただ、幸せそうではありますが、楽ではないとは感じました。会社勤めと違って道なき道なので、周りから何を言われるかわからないし、苦しいこともたくさんあると思います。会社勤めしてたほうが楽なこともあるのかもしれないけども、どんな苦難があってもこの方たちは後悔しないでしょう。なぜなれば完全にこの「仕事は価値がある!ワクワクする!」と納得しているからだと思います。電車の中吊り広告みているだけだと絶対見つかない一冊です。

書籍「自分の仕事を考える3日間」
著者:西村佳哲
出版:弘文堂

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