書評

学びを結果に変えるアウトプット大全~行動を後押ししてくれる1冊~

自己啓発書を読んでも全く成長しない。。。アウトプットがないからだよっ!

私は会社勤めをしてからたくさんの自己啓発書を読んできて、もう10年以上が経過しましたが、一向に成長した実感もなく、このままだだと正直、会社をクビにされそうです。打ち合わせの場でもダンマリをきめこむし、意見を求められても「いやぁ~私は別に・・・」なんていってしまうほどの人間です。「なんで仕事ができないんだろう?」「何かが足りない気がするぞ」なんて悶々と日々を過ごしていましたが、今回紹介する「アウトプット大全」がたまたま目に入り「そうだ!自分に足りないのはアウトプットだ!」と思いこの本を手に取りました。(そして出版記念イベントまで参加しちゃいました。)当書ではアウトプットのノウハウについて様々な視点から紹介されていますが、その中でも私が印象に残ったことを紹介します。

アウトプットとインプットの黄金比は7対3!

ここでいうアウトプットとは「話す・書く・行動する」ことを指し、逆にインプットというのは「読む・聞く」ことを指します。当書ではアウトプットとインプットの比率が

7:3(アウトプット:インプット)

が一番成長する比率だと主張しています。
確かに私の比率はどう考えても1:9(アウトプット:インプット)です。もしかしたら、もっとアウトプットしていないかもしれない。。。

アウトプットを増やすのではなく比率を変える!

アウトプットを増やせばいいけど、時間がな~い。と思った方ははちょっと待った!増やすのではなく「比率を変える」と当書では主張しています。なので、例えばもし月に本を3冊読んでいるのならば、月に1冊読む程度にとどめておいて、その1冊について感想を書くなどのアウトプットをするということです。そちらのほうが効果が高いと主張しています。アウトプットするのならばその分、インプットを減らせばいいわけです。

アウトプットしたらフィードバックもすること!

当然の如く、アウトプットしただけでは成長しません。そのあとのフィードバックも大事です。何が間違っていたのか、次は何を修正するのかを考える必要があります。そして、また修正した内容で行動に移す。これを繰り返すことによって成長していきます。
私は人と話すことが苦手なのですが、なぜ苦手かというと「間違える」ことが多く、恥をかいてしまうことを恐れているからです。しかし、当書を読み、「話して間違えること」というのは決して恥ずかしいことではなく、「良質なフィードバックの材料」だと思えるようになりました。

とにかく完成させる~100点満点中30点を目指す~

アウトプットのコツとして、例えば書籍や原稿を書くときにいきなり100点満点の文章を目指すのではなく、30点程度を目標にして、とにかく一旦完成させ、そのあと、ブラッシュアップをすることをお勧めしています。なぜならば100点を目指して取り掛かると膨大な時間がかかり、ブラッシュアップの時間が取れず、最終的に質の低いアウトプットとなってしまうからです。まずは「30点くらいでいいや~」と思えば取り掛かりやすいですよね。これは何も文章に限らず様々なことにも通じると思います。漫画界の巨匠「手塚治虫」さんも生前に”漫画は落書きからはじめる”と言っていたのを思い出しました。その精神と通ずるものがあると感じました。

趣味の情報を発信する~マニアックな記事ほど反応は高い~

情報を発信するということはもちろん「アウトプット」の一環であり、アウトプットの訓練として、ブログに記事を書くことを勧めています。その際に何をアウトプットをしていいかわからないのであれば趣味のことを書くことをお勧めしています。趣味といっても何も極めている必要ではなく、「高校のクラスで一番」くらいのレベルで十分に人を惹きつける記事は書ける。とのことです。それとは逆に「たくさんの人に読まれるよう一般的に書こう」とすると反応が減るとのことです。
この説は半信半疑でしたが、確かに私には思い当たる節がありました。それは当ブログのアクセス解析です。アクセス解析をみると人気書籍の書評のアクセス数よりも、20年以上前に放映されていた特撮ヒーローに関する記事の方が断然アクセス数が多いのです。しかもそんなにマニアックではなく、それこそクラスで一番くらいのレベルの記事です。当ブログのアクセス解析でもこの説が立証されていました(汗)

自己の変化

この本を読んでからの自己の変化をまとめてみました。
・変化その1「ブログの投稿頻度アップ」

実は当ブログの投稿頻度が少し上がっているのはこの本の影響です。流石に1日1投稿という域には達していませんが、毎日ちょっとずつ書いています。

・変化その2「スマートフォンアプリ開発を行いプロトタイプ版が完成」

私の昔からの夢であったスマートフォンアプリの開発を急ピッチで進めています。今まで少しずつ進めていたのですが、「30点でもいいから完成させる」という当書のアドバイスに影響を受け、30点レベルで一気に作りあげてみました。まだデザインが貧相ですが、プロトタイプ版が完成しました。夢にかなり近づきました。

・変化その3「職場でのコミュニケーション」

職場での打ち合わせでの発言回数が増えました。職場で少し気になることがあっても怒られると思って発言をしていませんでしが、この本のおかげて「アウトプットが重要」ということが頭によぎるようになり、発言することができるようになりました。もし怒られても怒られた内容を「フィードバック」としてと受け取るようになり、ストレスも減ったと思います。

感想

常々「アウトプット」が重要だと感じているけども、それを実行に移せない人にとっては当書のタイトルを見ただけでも、少しやる気が出てくるのではないかと思います。この本に限らず、毎回、樺沢先生の本は実行に移しやすい方法が書いてあります。「お手軽ですよ♪」みたいな感じで、背中を押してくれる書き方が私は好きです。
私含めて「アウトプット」しない人というのは「インプット」よりも「アウトプット」の方が恐いと思っている、つまりリスクがあると感じているからだと思います。特に「話す」ことについては「相手に不快な思いをさせてしまうかも」「怒られるかも」などビビってしまいがちです。ところが「アウトプットをすれば成長ができる!」と誰かが後押ししてくれば行動に移しやすくなります。この本はそういった人を後押ししてくれる本だと思いました。「成長したいけどなかなか実行に移せない」と思っている方は是非読んでみてください。


書籍「学びを結果に変えるアウトプット大全」
著者:樺沢紫苑
出版:サンクチュアリ出版

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