書評

書籍「お金2.0 ~新しい経済のルールと生き方~」評価:★★★☆☆

書籍「お金2.0~新しい経済のルールと生き方~」 著者:佐藤航陽 出版:幻冬舎 評価:★★★

当書籍を気になってめくったときに冒頭の話に惹かれて思い切って買ってしまいました。著者は「お金がない」家庭環境で育ち、そのせいで不自由な生活を送っていたようです。なので「お金」ことに対して異様な執念があり、その「お金のエキスパート」である著者が「お金がない」というだけで不自由な生活を送っている人を少しでも減らしたいという思いで書いたのがこの本だということです。

私としてはこの著者の出だしがグッと!ときましたが、最終的に
「お金がない家庭で生まれた人は現時点でどうすればよいのか?」
ということは、はっきりとは私にはわからなかったです。

ただ、将来的にはお金がなくても他のところで補填されるとは書いていますが、
「現時点での解決法があるか?」
というとこの本を読んでも私にはピンときませんでした。

色々とお金・価値関することが書かれていましたが、私なりに要約すると
どうやら著者は以下のことを主張していると思われます。

「お金がすべてだと思っているでしょ?皆さん!いやでもそうじゃないんです!お金で測れない価値というものがあるのです!今後はお金がなくても、その価値で生きていくことができる時代になります!」

みんなうっすら、人によってははっきりわかっているかもしれないことかもしれません。でも、文章化してズバッと言い切っているのは読んでいて気持ちが良い。

「今後はお金がなくてもその価値が評価されて生活できるようになる」

といってますが、すでにyoutuberはその代表的な例かもしれません。youtuberは視聴者に面白いもの・役にたつものを提供できるという「価値」をもっています。ただ、youtuberの場合は、結局、その「価値」を「広告収入」という形でお金に換算しているので、著者の言っている理想の形ではないと思います。

例えばですが、youtuberの視聴回数に応じてポイントみたいものがたまって、それでAmazonで買い物ができるような仕組みが整えば著者の理想としている、「お金がなくても価値で生活ができる」状態になると思います。

なので、この本で伝えたいことは本に書いてあるこの1節に限ると思います。
「あらゆる価値を最大化しておけば、その価値をいつでもお金に変換することができますし、お金以外のものと交換することもできるようになります。」

■じゃあ、今お金がない人はどうすればよいのか?
その解決策は書いておりません!(笑)
現時点でお金がない人がお金以外のもので「豊かな暮らし」を手に入れるには2つ疑問が残りました。

1、お金以外のものと交換できるような「価値」を手に入れたとしても現時点においてはそれを「豊かな暮らし」に変換できる状態になっていない。
  →youtubeで再生回数が増えても、直接ガスや水道料金を払えるわけではなく、結局、お金に換算する必要がある。
  
2、お金以外のものと交換できるような「価値」を手に入れるにはある程度の「お金(費用)」が必要な場合がある。なので結局お金が必要。
  →youtuberになろうとすると最低限、パソコンを買う。インターネットをはじめるお金が必要になる。
   
■結論
 私の結論としては「豊かな生活を送るためにお金の仕組みを整える前に、個人の生活習慣を良くすること」が必要だと思いました。

私はこの本は著者の冒頭の話にあるように「お金がない」ために不幸な生活を送っている人ははどうやって人生を逆転させるか?ということを期待して読んでいましたが、著者の「価値を高める」ことについては大いに賛成です。しかし、「価値を高める」ためにはある程度、当人の知恵や工夫が必要となるので、どうやらお金の仕組みを整えたところで当人が工夫を凝らしたり試行錯誤を繰り返して成長するといった「良い生活習慣」がなければ、「豊かな生活」は手に入らないと思います。

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