1.天職創り

書評「ゴールをぶっ壊せ」影山ヒロノブ自伝!電撃戦隊チェンジマン好きは必見!

ハートに火がつくぜ♪燃え上がるぜぇ~♪・・・失礼しました。今回は影山ヒロノブさんの自伝「ゴールをぶっ壊せ~夢の向こう側までたどり着く技術~」を紹介します。
影山ヒロノブさんはファンというほど、熱烈に追っかけてはいませんが、好きな曲をスマホにいれてたらいつの間にか影山ヒロノブさんの曲がたくさん入っていました(^ ^)。また、幼少(当時2、3歳)の頃、影山ヒロノブ(当時の歌手名はKAGE)さんが歌う「電撃戦隊チェンジマン」のオープニング曲が大好きでした。電撃戦隊チェンジマンから数えると隠れファン歴30年強!ということで、堂々と(?)紹介させていただきます!

影山ヒロノブさんの熱き魂!!~どうしても歌を辞めたくない~

率直に読んでみて、影山ヒロノブさんの歌に対する熱い思いが伝わる1冊でした。中学生の頃から既に歌にのめりこみ、成人する前にプロデビューを果たすという、この時点でかなりの経歴ではありますが、その後、一度はブレイクしたもの、上手くいかずバンドは解散。それでもまだ歌い続けたいという思いがあり、30代後半までアルバイトしながら、ノーギャラのライブを年間100本をこなすというクレイジーなことをします。
このクレイジーなノーギャラライブはライブハウスのブッキング会社の社長に相談したことで、実施することになったのですが、その時の社長とのやり取りが影山さんが「歌うのがが好きだ」ということを物語っていると感じました。そのやりとりを一部抜粋します。


社長「お前は一体、何をしたいんだ?」

影山さん「まだ曲を書くことはできない。詩も書けない。それでもステージをやっている時が一番楽しいことだけはわかっているお金なんかいらん。とにかく、俺はライブをやりたい

社長「お前が、今まで所属していた事務所から、当たり前のようにしてもらえたようなことは俺には一切できへん。テレビ局にも知り合いなんか一人もおらん。でも、ギャラがいらんというのなら、死ぬほどライブをやらせてやる


この話に、影山さんは乗ったわけです。まさにクレイジー!

周りもすごいと思います。この当時、影山ヒロノブさんは結婚もしていて、奥さんは一度も文句を言わなかったそうです(仏か?)。
奥さんも、もちろん素晴らしいですが、影山さん自身が「やることはちゃんとやる人」という信頼があったからこそ、周りも止めなかったのかな?と思っています。ライブをこなしながら、生活費のためにアルバイトしているしね。スタミナが尋常じゃないです。

電撃戦隊チェンジマンが好きな人は涙する1冊!

そうやって、ノーギャラライブをしているなかで、飛び込んできたのがこの「電撃戦隊チェンジマン」の仕事。そこでも苦労があり、はい歌って終わり。ではなく、ここでも相当苦労したようです。レコーディングの際、ディレクターさんにさんざんダメ出しされたそうです。「ロックの変な巻き舌とかいらないから、もっと子供に伝わるように!」なんてダメ出しされたそうです。元々ロック調の曲なのにロックな巻き舌で歌って何が悪いんだとは私は思いましたが、そこも素直に従い何回もダメ出しされながらも歌い切ったようです。

その後、この曲がヒットし、続々とアニメ、特撮の仕事が舞い込んできて、アニソン歌手として地位を築いていくことになります。

私は幼少期(当時2歳!)、物心つく前からこの「電撃戦隊チェンジマン」を大変気に入っていました。おそらくですが、「ハートに火が付くぜ燃え上がるぜ~」なんて、生まれて最初の方に覚えた言葉なんじゃないかと思います(笑)

今になって、自伝を読み、影山さんがアルバイトの傍ら年間100本のノーギャラライブをし続けた先に完成した歌だと思うと、涙がでそうになりました。
そう!この歌は

歌が好きで好きでたまならく、アルバイトしながらボロボロの体になっても、歌い続けることを決心し、更にディレクターに怒られながらも子供に伝わるように一生懸命歌った歌なのです。

幼少の頃、この歌に惹かれたのは偶然ではなく、必然だったのだと思います。自分の子供の頃の感性は間違っていなかったんだなと改めてこの本を読んで思いました。

この本を読んでもう一度、「電撃戦隊チェンジマン」を聴き直してみたら、鳥肌が立ちました。
通常、ロック調の歌というのはロックを追求するがゆえに、言葉が聞き取れないことが多いのですが、この歌は歌詞を読まなくても、言葉の一つ一つがはっきり聞こえます。子供のために配慮したのがわかります。ただ、はっきり言葉が聞こえるけども、かつ、影山ヒロノブさんの良さは活かされていて、ロックなノリノリな感じは残しています。まさに神業です。

想いも、歌手の技術もこもったこの曲、まさに名曲だと思います。

この本から得られたこと(1)~「好き」の裏側には人とのつながりがある~

そもそも、影山さんが音楽に目覚めなければ数々の名曲が生まれることはなかったわけです。音楽に目覚めたのは小学生の頃。仲良しだった「高崎君」がギターを引き始めたのが、きっかけだそうです。そこから一緒にバンドを結成し、お互い切磋琢磨し、音楽活動をしてくわけです。単純にこういった関係性ってうらやましいなぁと思います。これは私の推測ですが、影山さんが「音楽が好き」になったのは、「高崎君」という存在がいたからなのかもしれないと思っています。人が何かを「好き」になる際、その裏側には誰かとの楽しい思い出があるのだと私は思います。改めて人とのつながりを大切にしていきたいと思いました。

この本から得られたこと(2)~やはり体力回復は大事~

これまで何度も、書いてますが、この本で私が一番驚いたのがなんといっても

「アルバイトしながら、ノーギャラのライブ年間100本」です。

しかもアルバイトは建設現場で資材を運ぶようなきつい仕事。それでライブを年間100本回すってこの人の体力は無限か?と思ってしまうほどです。おそらく常人だったら、過労死するでしょう。ただ、影山さんは特技があったようで「どんな場所でも3分で眠れる」のです。体力回復において睡眠というのは一番といっていいほど、重要なことです。私のサイトでも謳っているように何かを成し遂げるには体力回復は必要不可欠です。

この本から得られたこと(3)~ここにも天職創りのヒントが~

最初は好きというだけで、お金にならない「歌」を歌い続けた。結果、それが本職(天職)になった。しかも当時はアニソンシンガーなんてジャンルはなかったのに、それが新たな「ジャンル」となり天職となったわけです。まさに天職は探すものではなく、「創る」ものだと再認識しました。
「好きだ」の延長線上に「天職を創るきっかけがある」それが物語っている一冊でした。


書籍「ゴールをぶっ壊せ~夢の向こう側までたどり着く技術~」
著者:影山ヒロノブ
出版:中公新書ラクレ608

スポンサードリンク