書評

[書評]0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書


昨今言われている「人生100年時代」というのは、私ととしてはピンとこなく、よくわかってはいませんが、1つ言えるのは

生きている間はボケずに、ずっと成長し続けたい!

と思っています。また、学び続けることよって認知症のリスクを回避したいと言う意味も込められています。
自分の子供の足枷になるのはまっぴらごめんです。

また、 自分の子供にも学ぶ姿勢を持ってもらいたいということもあり、まず 私自身が学ぶ姿勢を持とうと思い、以下の書籍を購入しました。

書籍名:0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書
著者:落合陽一
出版社:小学館

著者の落合陽一さんについて

著書の落合陽一さんはメディアアーティストや大学の客員教授として、自動運転や福祉・介護などの身体制御などの研究しており、最先端の研究を手掛けている専門家です。なので、いつも頭の中は未来を見据えている方なので、これからの生き方を提唱する人としては申し分ないと思います。また、1児のパパでもあるので、子供に対してどう接するか?ということが書かれているのも貴重です。以下、私が印象に残った話を紹介します。

プログラミングをする目的

2020年度から小学校でプログラミング教育が必修になっていくのに対し、プログラミングに対してどう向き合うかということが書かれていました。それに対する答えを要約すると

プログラミングは目的を達成するツールなので、目的化してしまっては意味がない。

ということでした。
子供にプログラミングを学ばせれば一生仕事には困らないという発想はイマイチで、「目の前にある問題を解決するためのツール」として活用することが大事だということだと思いました。

私の職業柄、プログラミングはできるので、親が手本になって、子供のために簡易的な暗算学習ソフトをAndoridで作って見せてあげようかなと思いました。

オンラインサロンの活用

これからの時代、高い学費を払って子供を大学に行かせるかどうか迷っていたのですが、まず落合さんの予想としては

大学は就職予備校のような役割ではなく、純粋に学問を学ぶ入り口になる場所になると

予想しています。

そうなってくると、
どういう研究がしたいか?
どんな人に教えてもらいたいか?
が重要になってきます。そういった場合、

オンラインサロン

を活用すると良いとありました。もし、やりたい研究・教えてもらいたい人がオンラインサロンを開講していたらそこに参加することで、大学に入らずとも、学びが得られるわけです。しかし、

大学の教授が月1万程度のオンラインサロンを開講する未来は利害関係を考えても、ないと思うし、研究施設や色々な権利(例えば、調査団として立ち入り禁止区域に入ったりする権利)だって大学が充実しているわけなので、大学のメリットはたくさんあると思うので、ケースバイケースではあると思います。

ただ、私の中ではオンラインサロンって、ビジネスマンが自己啓発をするイメージがありましたが、学問を学びたい学生にも最適なのだと思いました。1つこの書籍を読んだことで子供の進路相談に役立つ知識が手に入りました。

習い事に達成条件はつけない

子育てにおいて

「習い事に達成条件はつけない」

という話も新鮮でした。読み書きや計算はある一定のところまでは、達して欲しいと思いますが、子供が興味を示している習い事は、楽しさや好奇心などを優先させてあげたいと思いました。
これは私が子育てをしている所感ですが、ただ親がボーっと眺めているだけだと、子供もただボーッと習い事をするだけで好奇心もなにもありません。
過干渉過ぎてもいけませんが、子供が何に興味を示しているのかを観察しながら好奇心を伸ばしてあげたいと思いました。

説明と対話のバランス

大人に対しては、ある程度のことは知っているので、説明よりも対話をすることが優先されるという話がありました。しかし、子供に対してはわからないところもあるので説明も交えるとのことです。
私は子供にいきなり、対話から始めたり、説明ばかりだったりバランスが悪かったり、困らせることが多くあったので、ハッ!としました。気を付けます。。。

「やりたいこと」とは自分のストレスに嘘をつかないこと。

落合さんしかり、ホリエモンしかし「やりたいことをやれ!」としきりに発言していますが、やりたいことを見つけるヒントとして、

「ストレス」

がヒントになるそうです。簡単に言うと「やりたい仕事」というのはストレスを感じないから「ストレス」に対して敏感でないと「やりたい仕事」を見つけれないとのこと。
以前、私の会社の上司が

「楽しい仕事」って何だ?「仕事は楽しくないだろ?」

と言っていましたが、全く逆の価値観。。。どちらも正しいと思いますが、くれぐれも自分が納得のいく選択をしたいものです。

ゲームかゲームじゃないか?

研究はゲームではないがその論文を通すのはゲーム

という話があり、これもまたハッ!とさせられました。
これは仕事でもいえると思います。自分がなんの仕事をしてみたいか?といったかことはゲームではありませんが、いざその仕事をする場合は、ルールや制約があるのでそれに従って行動するので、いわばゲームになるのだと思います。

〇〇の仕事をしよう!

までは、ゲームではないですが、そこから先は、したい仕事のお約束やルールがあるので、それに従って、仕事をこなしていくわけです。

何事もゲームなのか?ゲームじゃないのか?ということを区別して行動すると効率的に動けると思いました。

アカデミックライティング

この本でアカデミックライティングと言う言葉を初めて聞きました。アカデミックライティングとは落合さん当書籍で、以下のように定義しています。

相手が理解できる意味の明確な単語を使い、論理的に正しく意味が伝わる文章を書く

ということだそうです。これができれば仕事で、コミュニケーションに困ることはなさそうですね。これを鍛えるには、普段の会話でいい加減な日本語、どちらの意味でも解釈できるような日本語などは、使わない。新聞の社説を読むなどの方法があるそうです。この話は特に気になるので、今後記事としてまとめていきたいと思います。

エンジニアとディベロッパーの違い

エンジニアとディベロッパーの違いについて、エンジニアは「自ら問題を設定し、自ら考え続け、自ら解決できる人」、ディベロッパーは「その解決をサポートする人」という話がありました。私の職業はプログラマーなのですが、よくシステムエンジニアとプログラマー(コーダー)の関係と似ていると思いました。私もエンジニアになれるように学び続けなければと感じました。

時間的な連続性の中で絶対に正しいものはない!

日々変わっていく世の中で何が良くて何が良くないのかなんていうことは分からない時代になってきている

なぜ好きなのか、なぜそれをやりたいのか?その理由について自分なりに思考して明確にすること。その理由を他の人にも説明できるようになると、その後の人生が大きく変わってきます。

何から学びたいと思うか?

リスクをとらないほうが、リスクが大きい。

私はこの言葉に大変共感します。なぜなら身を持って体験しているからです。私は中小企業のシステム開発会社で働いているのですが、リスクをとらないように会社のルールを守り何もしないでいたら、何度も組織改変が起こり、変なポジションに置かれてしまいました。要するに何もしなかったので、会社の良いように動かされていたのです。それだったらリスクを覚悟して、自分のやりたいことを宣言して評価など気にせず動いていれば良かったと思いました。何にしろ動かないと会社と言うのは立ち位置が悪くなる。人生も同じだと思います。これからリスクを恐れず(といっても借金して会社起こすとかはしませんよ。。。)進んでいきたいと思いました。

ハードモードからイージーモード

テレビゲームは最初、弱い敵を倒して、その先に、強いボスがいる。つまり、イージーモードからハードモードになるのに対し、イノベーションを起こす際はハードモードから始まりイージーモードに移行するそうです。イノベーションとまでもいかなくても何かを始める際は、起こす際のエネルギーが重要だと私も常々、感じています。私の人生の中で、ハードモードをクリアしたことはあったのかと言われると疑問に感じます。いわゆるブレイクスルーというかそういった感覚は今まであまりないです。これは私の人生のテーマの1つかもしれません。何かをやりとげるには、最初の壁をぶち破る必要があるのですが、どうぶちやぶるか?考えていきたいと思いました。

結論

落合さんの話は大正解。うんうん頷きながらこの本を読んでいました。しかし、
実行するにしても、具体的にどうしていいかわからないという話が多かった気がします。
ただ、これからの生き方、教育の仕方などの戦略はわかりました。本のタイトルでは「人は学び続けなければいけない」と強迫観念のように謳ってはいますが本を読んでみて

「学び続けることによって良いことがいっぱいある、良い人生が待っている」

とポジティブに受け取ることができました。
この本で、この先どう進めばいいかという道しるべは得られたので、あとはこの理論や方針を現実に変えるにはどうすればいいか?ということを考えていきたいと思いました。

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